横バリが落ちない理由とサイドストーンの材質
公開日:
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スピードスケート
スピードスケートのブレードを研ぐ際に、
「横バリが落ちない」
「すごく時間がかかる」
「横バリに時間がかかるから研ぐのが嫌い、、、」
という声をよく聞きます。
当ショップでしか販売されていない、ルビー素材のサイドストーンをお使いください!!一発で横バリが落ちます!!
なんてことは言いませんよ。
これまで、何百というさまざまなお問い合わせを頂きましたが、○○だからこれを買ってくださいと言ったことは、今までに一度もありません。
常に何を申し上げているかというと、悩みや相談、お問い合わせのメカニズムを細かく御説明させていただいています。
その上で、当ショップがなぜこの道具をお勧めしているのかを説明させていただいています。
常にお問い合わせの返信に書いておりますが、「買う買わないは関係なく、なんでもお問い合わせください」と書いております。
本当に御遠慮なく、なんでもお問い合わせいただければ結構ですので、いつでもどんな質問でもお問い合わせください。
さて、サイドストーンがなぜ落ちないのか。おそらく当ショップにお問い合わせをいただいた方を除くと、ほぼすべての方が間違った解釈をされています。
おそらくみなさんは「サイドストーンの切れ味が悪いから」横バリが落ちないと思ってらっしゃるのではないでしょうか?
なので
「横バリがすぐに落ちる砥石が欲しい」
と思ってらっしゃるのではないでしょうか?
(ちなみに当ショップにも問合せは非常に多いです)
この認識が大きな間違いです。
原因は砥石ではありません。
原因はブレード側にあります。
購入した状態の一般のブレードは
100回やっても1000回やっても横バリが落ちない箇所がいくつかあるはずです。
その場所は、何万回砥石をかけてやっても落ちません。
理由は、ブレードそのものが真っ平じゃないからです。
目に見えている限りは平に見えますが、
物理的に平かというと、まったく平とはいえないとんでもない状態です。
それはもう、でこぼこで、ウェーブして、ひどい状態です。
(メイプルやバイキングのメーカー側もできる限りなんとかしようとしていますが、機械ではここが限界なのでしょう)
なので、きちんとサイドストーンがブレードに当たらない部分が発生してしまい砥石が当たる部分と当たらない部分がどうしても発生してしまいます。
にも関わらず
今まで、なぜ30分や1時間も時間をかけると横バリが落ちているのかというと、たまたま何回か斜めに砥石が当たって横バリに当たっているからです。
これは非常に危険な状態です。どれくらいの角度で斜めに当たっているかわからないですからね、、
ちなみに、RAPS板や平な板に、ブレードを押し当てても、横バリは絶対に落ちませんので。板に、押し付けることで、真っ直ぐにできるほど、ブレード部分は軟らかくないからです。
もし、ヒトが平な板にちょっと力を掛けた力で真っ直ぐになるような硬度だったら、単距離選手のコーナーに掛かる力でブレードは変形して、転倒していますから。
ご参考までにですが、
現在ロングトラックで大変流行っている挟むタイプのサイド落とし道具(あれは石じゃないので、ストーンとは呼びません)は横バリが落ちやすいと有名ですが、とんでもない道具です。
あれは、砥石ではなく紙にダイヤモンドの粒子を付着させたものを鉄板に張り付けているものです。
ご存知の通り、紙は非常に軟らかい物質です。
軟らかいので、押し付けることで、横バリもろとも、滑走面まで包み込んでしまいます。
想像できすか?
当然横バリは落ちるでしょう。なぜなら、紙は軟らかいので、横バリをきちんと包み込んでくれますから。
ただし!!!
重要なエッヂ部分(角部分)も一緒に包み込んで落としてしまいます。
手で触るレベルではわかりませんが、エッヂ部分は全体がボロボロになってしまいます。
どうして、こんな道具を開発してしまったのでしょうか、、、。
選手や保護者様側に立つと、横バリを落とすのに30分も1時間もかかっているようでは、1瞬で横バリが落ちるので魅力的に見えることは理解できます。
また、ダイヤモンド製のサイドストーンもありますが、ダイヤモンドは絶対にサイドストーンに使用してはいけません。
ダイヤモンドはご存知の通り、世界で最も硬い鉱物です。
なので、通常に研ぐ際には最高の鉱物ですが、サイドストーンにとってはいかがでしょうか?
サイドストーンに求められている機能は、「横バリのみを落とす」機能です。
もしダイヤモンドストーンを使用してしまうと、横バリを落としたその先の「残したいエッヂ」まで削ってしまいます。
さきほどの挟むタイプの横バリ落とし道具と同じで、エッヂ部分の全体がボロボロになってしまいます。
これが理由でグリップ力を失い転倒している選手が非常に多いです。
(本人はロックだのなんだの他の理由にしていることが多いですが)
ダイヤモンドのサイドストーンを使用するくらいなら、一昔前までの白や黒、茶色のサイドストーンを使用する方がまだ良いです。
ただ、、、これらのサイドストーンはダイヤモンドとは逆に横バリに対して軟らかい為、横バリに対して、砥石が負けてしまいます。
試しに、これらのサイドストーンを数回使用したあと、サイドストーンを見てください。スーっと筋がはいっていませんか?もし、横バリよりもサイドストーンの方が硬いのであれば、このような筋は絶対に付きません。
サイドストーン側が負けることは、つまり、研ぎ残しが確実にあります。
これも影響して、転倒している選手が多いです、、、
(この選手もまた、ロックだのなんだの他の理由にしているんですけどね、、、)
ただ、これらのサイドストーンは挟むタイプの横バリ落とし道具とは違い、研ぎ残しが一部あったとしても、エッヂ部分全体がボロボロになるようなことがありませんので、まだ使用には値します。
ちなみに、
当ショップでお勧めしているサイドストーンは 、ありとあらゆる素材でサイドストーンを試した結果、横バリだけを落とし、且つ、横バリには負けない、ルビーに行き着きました。
【追伸】
少しずつですが、在庫を持つことができるようになりました。
◆スケート靴
マーケージIkazuchi
36:228mm
38:241mm
39:248mm
サイズをお試しいただくこともできますので、お問い合わせください。
◆ブレード
バイキングナノフレックス
37 システム :150mm
長さ :406mm(16.0インチ)
メイプルツインレーサー
システム:170mm
長さ :420mm
◆砥石
DMT砥石
サイドストーン
◆研ぎ台
ペニートンブラックホーク
◆ダイヤルゲージ
メイプルダイヤルゲージ
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スピードスケート専門店 Speed Star
店長 : 中山 久美
電話番号 : 050-5534-5640
(不在の場合はメッセージを残しておいて頂ければ必ず折り返します)
メール : info@office-speedstar.com
お得な
メルマガ登録 : http://goo.gl/FRJPR
ブログ : http://blog.office-speedstar.com/blog/
ショップURL : http://office-speedstar.com/
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