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フルメタルとバイメタル

公開日: : 最終更新日:2013/10/17 スピードスケート

ショートトラックの国体が終わりました。
現地に行くことはできなかったのですが、結果は随時インターネットで見ておりました。

年々タイムが上がっているのは非常に喜ばしいことですね。
500mで41秒台がでていることは非常に嬉しい結果でした。

こんばんは。スピードスケート専門店 Speed Starの中山です。

1ヶ月前に櫻井雄馬君の『EVO Argon』の加工に立ち会っており、
そのブレードで今回好成績が出たということは、個人的には非常に有意義なデータです。

EVO社のブレードArgonの商品ページは画像をクリック

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女性及びジュニアの選手には『Evo Krypton』がオススメです。

Evo Kryptonのブレード商品ページは画像をクリック

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ご参考にしてください。

さて、ブレードのPM鋼について、先日も当ブログで紹介しましたが、櫻井雄馬君がワールドカップで身をもって経験してくれた写真をもらえたので紹介しながら、もう少し深く『硬さ』と『性能』についてご紹介したいと思います。
(転倒時に怪我しなくて本当に良かったです)

まずはこちらの写真をご覧ください。
ワールドカップで櫻井雄馬選手がカナダの選手とクラッシュしたときの
両者のブレードになります。

【BONT Platinium】
BONTPlatinium


【メイプル PM】
MaplePM


どちらも最新のブレードです。
違いはフルメタル鋼かバイメタル鋼かの違いです。

もう少しスペックの違いを見てみましょう。
BONT Platinium
 材質:フルメタル鋼
 硬さ:64HRC

メイプル PM
 材質:バイメタル鋼
 硬さ:66HRC (靭性が高いチューブ側の硬度は不明)

ちなみに、ロングトラックのブレードは全てバイメタルですね。
上記のメイプルと同じ構成です。

写真を見ると一目瞭然ですよね。

フルメタル鋼は見るも無残に木っ端微塵になっているのに対して、
メイプルは剛性の高いPM鋼の部分だけが欠けて、靭性の高いチューブ側は
割れていません。

こんなにも硬さと粘りが違うのが一目でよくわかります。

お金をかけて破壊試験でもしない限り手に入れることができない結果を
無料で手に入れることができました。(雄馬くんありがとう)

さて、問題はフルメタルとバイメタルのどちらが良いのか、、、です。

まあ、相変わらず、どのメーカーのホームページにも詳しい説明は書いてませんし、
『このブレードはすごい!!』というような記事ばかりです。
また、直接連絡をとっても、大して期待した回答はもらえませんでした。

ショップとしての解はこちらになります。

 ・ロングトラックのブレードにはフルメタルのブレードラインナップが無い。
  ロングトラックにはメイプルにしても、バイキングにしてもPMブレードはあるものの、
  バイメタルブレードであり、フルメタルブレードはない。
 ・ではなぜショートトラックだけフルメタルブレードが使用されているのか。

 おそらく、バイメタルの靭性が高い部分の鋼(チューブ側の鋼)が、
 ショートトラックの最も大きな力がかかる、コーナーの頂点で耐えられないと考えます。

 ちなみに、靭性が高いということは、「しなる」とか「ばねのような」とかそのような効果は
 期待できますので、本来ならプラスに働くはずなのです。

 なので、強度上耐えられるのであれば、バイメタルブレードを使用するほうが
 絶対に良いことは間違いありません。
 もしフルメタルブレードの方がスピードスケートにとって良いのであれば、
 とっくの昔にロングトラックのブレードはフルメタルに変わっているはずですので。

 なので、スピードスケート専門店スピードスターとしての
 結論から申し上げると

 
 ◆筋肉むきむきで身体が大きい選手
  EVO Argon(こちらをクリック) や
  BONT K390(こちらをクリック) が

  オススメブレードになるでしょう。
  おそらくフルメタル以外のブレードではコーナーの頂点でブレードが耐え切れないでしょう。

 ◆体重が軽い男性選手以下すべての選手
  バイメタルのPM鋼がオススメです。
  メイプル DUR OFG PM こちらをクリック
 
  など、メイプルのPMシリーズがオススメです。

 いずれにせよ、PM鋼は必須の選択です。
 練習の後半、試合の後半、荒れた氷でのレース、
 摩耗性が極めて高いのと、ブレードの先端から後端までの素材の粒子が均一なことから、
 安定した焼入れが入るため、硬さが安定します。

 PM鋼以外のブレードを使用している選手で、なんでもないところでブレードが
 抜けたことがある人は、焼入れの問題は十分に考えられます。

 道具が理由で負けるというのは絶対に避けるべきですので、
 不安要素は全て取り除き、最高の状態で試合、練習に臨んで欲しいと思います。

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