*

ロック管理の質問がありました

公開日: : スピードスケート

 

シーズンはどこも終了しましたね。

 

 

先日のブログにも書いていますが、

ブレードのメンテナンスが必要でしたら、

早い段階で送付してくださいね!

 

 

既に、とんでもない量のブレードが到着しており、

来シーズンの北海道の十勝オーバル開きまでに間に合うか、

びくびくしていますので。

 

 

 

一方で、これからはショートトラックに取り組みながら来シーズンに向けて始動するのでしょうか。

 

 

すでに、ショートトラックの道具のお問い合わせが多く、

休む暇もなく大変です、、、

 

 

 

それでも練習に取り組む選手の姿勢に負けているようでは、

『心・技・体・道具』の道具の部分で負けてしまうことになりますので、

精一杯頑張っていきたいと思います。

 

 

 

さて、全日本の強化選手の方から御質問を受けました。

今後ロック管理をしっかりとしていきたいとのことです。

 

 

 

回答メールを書きましたら、なかなか良い文章が書けましたので、

皆さんにも紹介したいと思います。(実名は伏せますが、、、)

 

 

 

これまで御問い合わせいただいた方はご存知かと思いますが、

オリンピック選手、初心者問わず、下記のように一生懸命返信していますので、

遠慮なく、ご連絡頂ければと思います。

 

 

 

 

 

————–ここから内容————–

 

○○さん

 

マーケージのダイヤルゲージについてお問い合わせをいただきましたが、

まずはダイヤルゲージの単位についてまず理解された方がいいです。

1メモリがマーケージは1/10000インチです。

メイプルは1/1000mmです。

 

 

 

手元に定規がありますでしょうか。

通常の定規では1mmや1cmを計測できるかと思います。

『1mmを1000個に分けた1メモリを計測している』というのを頭の片隅に必ず入れて下記を読んでいただければと思います。

 

 

 

 

マーケージの簡単な換算値は下記になります。

 

 

24mは21.2メモリです。

1~9のメモリは10~90という意味です。

 

 

 

ちなみに

20m:25.4メモリ

21m:24.2メモリ

22m:23.1メモリ

23m:22.1メモリ

24m:21.2メモリ

25m:20.3メモリ

26m:19.5メモリ

27m:18.8メモリ

28m:18.1メモリ

29m:17.5メモリ

30m:16.5メモリ

 

 

冒頭に説明したとおり、こちらのメモリはとんでもなく細かい数値です。

ブレードに対するロックゲージの当たり方(角度)が

ほんのほんのほーーんの少し異なるだけでも大きく変わります。

 

 

 

24mや25mをきちんと管理できているスケーター及び技術者、監督コーチは

この世の中で一人もいないはずです。我々でもできていません。(言い切れます)

 

 

 

 

「我々が使っているダイヤルゲージの仕様上、24mのロックを付けました」としか言えないのです。

一般のダイヤルゲージとは異なり、限りなく正確に測定できる『測定治具』を使用していますが、

先ほども言ったように、ほんの少し治具の傾きが異なるだけで数値が異なりますので。

 

 

これから○○さんがダイヤルゲージを使って

ロックの管理をされていく上で、

24mだとか25mだとかという

ロックの高低を管理をしようとしているなら、

やめたほうがいいです。(絶対にできないので)

 

 

 

ダイヤルゲージでは、

ロックの高低は目安程度にしか計測できません。

高い低いを言い出したら

ノイローゼで倒れてしまうか、

無駄な時間をロック管理に使ってしまい、

技術の向上や体力の向上の為の時間を奪ってしまいます。

 

 

 

 

ダイヤルゲージで管理しないといけない

最も重要な項目は

『ロックの形状です』これは非常に有効です。

 

 

 

前端から後端までに

『ダブルロックがないか』

『歪がないか』

『極端に平になっている箇所がないか』

 

 

これは一発でわかります。

この管理はとても重要です。

特に研磨していくうちに、

知らず知らずのうちに、

先端と後端のロックがどんどんと高くなっていきます。

 

 

 

過剰に高くならないかを確認し、

日々の研磨で修正していきます。

修正不可能なくらいに形状が崩れましたら、

ロックの修正をします。

 

 

 

 

なので使用の仕方は、

『20メモリくらいで、針が触れないかを確認する』

というのに使用するなら効果は絶大です。

18でも19でも20でも21でも22でもいいのです。

 

 

 

この中のどこかのメモリを指して、

針が触れなければ、そのロックは使用に値します。

もちろん、18→22→18→22のように

だんだんになっていたらだめですよ。

 

 

 

『えっ!?メモリ18って28mじゃないですか?低すぎませんか??』

と言われるかもしれません。

 

 

 

先ほども申し上げた通り、

ブレードに対しての測定治具の当たり方も毎回一定ではないです。

温度によってブレードの形状も変わります。

変動する要素などいくつもある中で、

完璧な24mを議論することはほとんど意味をなしません。

 

 

 

『うちは完璧な24mを作れる』

『おれは完璧に23mを作れる』

『私の25mは完璧です』

 

 

という方がいらっしゃったら、その方は嘘つきと言い切れます(笑)

 

 

 

○○さんのショートトラック用ブレードについても

スペック表を送らせていただいたと思います。

(これは当ショップで加工依頼をいただいた全ての方に送らせていただいています)

そこには計測した温度も書いています。

『その温度の時に計測したらこの数値でした』とわかっていただきたいからです。

 

 

 

氷上から上がって間もないブレードはマイナス3度とかマイナス4度ですので、

陸上の暖かい部屋と同じ数値はほぼ絶対にでません。

 

 

 

また、ダイヤルゲージは機械装置ですので、

公差があります。

ほぼすべてののダイヤルゲージは±5メモリが公差です。

 

 

 

 

これは何を言っているかと言うと、

今日測ったら20メモリでした。

研磨も滑走もなにもせず明日測ったら25メモリでした。

さらに研磨もも滑走もなにもしなくて明後日計測したら15メモリでした。

 

 

 

ということがあり得るのです。

これは、だれも悪くありません。どんな測定装置にも公差は絶対にありますので。

 

 

 

○○さんが神の手を持っていて、

ダイヤルゲージを使用して、

完全な形状を作り上げれたとしても、

氷上に乗った瞬間に形状が変わります。

 

 

 

氷点下の冷凍庫の中に入ってロック加工しないといけないですね。

仮にそこまでこだわってロック加工して完璧な形状をつくりあげても、

ダイヤルゲージには±5メモリの公差は発生します。

 

 

 

こんなことに四苦八苦したり、高いだの低いだの、

おれのは24mだのといってることがいかに不毛な議論ということがわかるかと思います。

 

 

 

 

 

ダイヤルゲージを使ってのロックの管理は『高低』ではありません。『形状』です。

『極端な高低』は管理しないとはいけないですが。(15メモリを切るようなロックなどは)

 

 

 

 

曲げについては

150m:3.4メモリ

です。

 

 

 

先端から後端までダイヤルゲージだけで

精度をだすことなどできません。

2~5メモリくらいにおさまるように形状矯正し、

後は、虚像にて目視で確認します。(これが一番正確ですので)

 

 

 

○○さんのブレードをダイヤルゲージで計測したらびっくりすると思いますよ、

プラスにもマイナスにも針が触れるはずですので(ぐにゃぐにゃという意味です)

 

 

 

技術力が乏しい方が曲げると、あるところで極端に曲げてしまいます。

一定に先端から後端まで曲げるのは、本当に神業(かみわざ)ですので。

 

 

 

○○さんのショートのブレードを仕上げてくれた

当ショップの職人さん以外に全世界を見ても出会ったことがないです。

世界中から当ショップの職人さんの曲げの精度は強烈に評価されていますので。

『そこまでやるのか、、、、』とびっくりされています。

 

 

 

あと、

マーケージはインチなのでお勧めしないですよ。

インチだと単位が大きいので、細かな計測ができません。

 

 

 

カーボテクニクスはミリメートルですので、

マーケージよりも細かく管理ができます。

 

 

 

ブランドに固執せず、細かく管理をしたいと思ってるなら、

カーボテクニクス以外はいまのところありません。

 

 

 

 

良い文章が書けたので、ブログに乗せますね

(もちろん名前は伏せますので)

 

 

 

わからないことがあったら遠慮なく連絡してください。

 

 

 

———–ここまで———-

 

 

 

という内容で返信しました。

 

 

 

トップ選手だから最先端に

管理されているかというとそんなことはありません。

 

 

 

今日からやってみよう!!

が一番大事です。

 

 

 

 

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スピードスケート専門店 Speed Star

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