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心・技・体・道具 を深く考えてみる

公開日: : スピードスケート

すっかりと暖かくなってきて、数週間前までスピードスケートに取り組めていたことが嘘のようです。

ショートトラックは屋内競技ということもあり、新たなレース「ジャパントロフィー」が現在開幕中ですので、こちらをもって終了になるかと思います。

ロングトラックはそろそろ2014/2015シーズンの反省や分析が終わり、新たなフォームが確立されてくる時期かと思います。

 

 

 

反省や、分析をせずに、陸トレに向かうと、「意味のない練習」や「無駄な練習」になり兼ねないので、しっかりと分析し、『来シーズンはこういうフォームで滑りたい!!』というのを必ず確立してほしいと思います。

 

 

 

分析においては、ぼんやりと考えるのではなく、体系的に項目を上げ、何が良くて、何が悪いのかを出し尽くします。出し尽くした後、「何を伸ばしていくのか」を考え、トレーニングに結び付けます。

 

 

 

その一番の大元の分類が「心・技・体・道具」になります。先日熱心な保護者様からお問い合わせをいただき、触りを話しましたので、その内容を皆様と共有したいと思います。

下記内容は、小学校6年生から中学校2年生までにタイムがあまりあがらなかった方の保護者様からお問い合わせをいただき、それに対して下記のように御返信させていただきました。(これでも一部です)

 

 

 

 

 

**********ここからが内容になります***********

 

まず、小学6年生から中学2年生までタイムが上がらないというのはおそらくですが、

現在のブレードと靴のセッティングに問題があるかと思います。(おそらく位置ではないかと思います)

 

 

 

上記について御回答する前に、「スピードスケートのタイム」が構成される要素についてご説明したいと思います。

 

 

 

これまでのブログでも紹介してまいりましたが、

まず、スピードスケートに限らず、どのスポーツ(スポーツ以外も全てですが)も、

心・技・体・道具

 

こちらの4つに分類されます。

 

 

 

これらの4つの要素の「何を高めて」、「何を実現させて」タイムを向上させるかを検討していかなければなりません。

 

 

 

例えば、道具を例にあげますと、

従来までは安価なクロム素材のメイプルブリザードを使用していました。

これを最高級グレードのPM(パウダーメタル)素材を使用されているEVOのスラップPMに変更する。

これにより、ブレードの『耐摩耗性を高める』を実施します。

 

 

 

従来までは、研磨しても練習後半までエッヂが保持できず、練習後半にはグリップ力を失ってしまい、

「押す滑り、乗る滑り」を覚えたいのに「蹴る滑り」を覚えてしまっている。

 

 

 

ブレードの耐久性が上がることで練習後半までグリップ力が保持できるため、

同一フォームを維持することができるようになります。

練習後半まで「押す滑り」が実現できるようになります。

 

 

 

このように、目的(実現したいこと)の為に要素(何を高めたいか)を明確にする必要があります。

 

 

 

○○様のお子様は新中学2年生ということで、まず自動的に向上するのが、

「体力」の部分です。

最も激しい成長期なので、自動的に身体は大きくなりますし、

基礎代謝も最も高い時期なので、普通に練習に参加するだけでも身体は大きくなります。

 

 

 

これだけで、タイムは必ず上がるはずです。

にもかかわらず上がらない理由を考えると、

「成長した身体から繰り出される力をブレードに伝えられていないから」と言えます。

 

 

 

この理由は二つあります

一つはブレードの位置が合っていないから。(自分の力氷に伝えれていない)

陸上を歩いたり、走ったりすることと同じくらい氷上で操作できる位置にブレードの位置がありますでしょうか。(左右の位置)

目視で確認できない

 

 

 

二つ目は小学校6年生の頃からスケーティングフォームが変わった。(技術が下がった)

中学生までのほぼすべての選手は自分のスケーティングフォームのことをあまり意識しません。

コーチに言われたことを忠実に実施したり、前を滑っている選手の真似をしたりすることで、スケーティングフォームが変わりやすいのが実状です。

 

 

 

 

中学生においては、スケーティングフォームについて意識していないが故に、技術が下がることはよっぽど考えにくいので、

個人的にはブレードの位置が合っていないのではないかと考えています。

 

 

 

きちんとしたブレードの位置にするだけで、格段にタイムは向上するかと思います。

ちなみにブレードの位置ですが、

左右:バランス

前後:パワー

です。

前後について少し詳しくお話すると、

ブレードを前に出してあげればあげるほど、氷離れが遅くなりますので、

より長く氷を押し続けることができます。その為、押せる分だけスピードは上がりますが肉体がついてこれなければ、持続性は落ちます

ブレードの位置を後ろにさげますと逆の効果になります。

つまり、氷離れが早くなるので、押す時間が短くなるぶん、スピードは下がりますが、持続性は上がります。

現状の筋力、体力に合った前後の位置を見つけてあげることが重要です。

 

 

 

自転車に例えることが多いのですが、

左右:サドルの位置(こぎやすさ)

前後:ギヤ(重いギヤだとスピードはでるが、持たない)

 

 

 

まずもって重要なのは、左右の位置ですので、これを完璧に調整できるようになることは、

スピードスケートにおいてはもっとも重要な技術と言えます。

 

 

 

これでおそらくですが、先シーズンの悩みは解決できるかと思います。

 

 

 

続いて、来シーズンに向けてですが、

最初に書きました、心・技・体・道具 のすべての項目を向上させて、

更なる飛躍したタイムを上げる方法について考えてみたいと思います。

 

 

 

『心』については、精神力の強化ですので、言い換えると粘り強い心を育成することを指します。

(メンタルトレーニングやメンタルコントロールもこちらに入りますが、ここでは触れません)

 

 

 

特にスピードスケートについては、レース後半の脚がまったく動かない状態でも一生懸命足をうごかさなければなりません。

かといって、スケーティングフォームが崩れると、タイムは大幅にロスしてしまいます。

『スケーティングフォームを最後まで維持させる』練習を取り組んでみてください。

 

 

 

公園などのランニングコースで500m~600mくらいのコースがあるといいです。

全力で走ると2分くらいのコースが理想です。(1500mの体力を想定)

1本目はジョグ程度スピード(本当にゆっくりでいいです)おそらくMAXより45秒以上遅いタイムになるかと思います。

そこからスタートして、1周毎に5秒ずつ短縮していきます。

スタートから次のスタートまで4分半~5分で 3本 休みを2さらに追加で2分程度休みをとりもう3本 も走れるようになれば上出来です。

 

 

 

 

最初は2本x2セットくらいからスタートしても構いません。8月には3セットで走れるようになれば上出来です。(ここまで走れれば、相当メンタルも強くなってるはずです)

最終的には30秒早くなりますから、MAXの15秒遅いくらいになりますので、相当きついはずです。

ポイントはどれだけ苦しくなっても、「ランニング中のフォームを変えない=重心を変えない」です。

できれば、スピードスケートのフォームの重心と同じ位置で走れるとなおいいです。

 

 

********ここまで(一部)*******

 

 

 

技術と体力、道具についてもご回答いたしておりますが、また後日紹介しようと思います。

 

 

 

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